先日、こんなツイートをしました。
ハウスクリーニング起業4年目のフリーランスです。何だかんだ、1日3万稼いで月10日〜15日稼働が理想な気がしてます。空いた時間は家族と過ごしたり、趣味をしたり。ストレス無く、細く長くやっていくのも良いかなと。
— よわかつ@ハウスクリーニング単価UP (@yowakatsu) August 14, 2021
お掃除フリーランスとして活動中、もしくは今後独立を考えてる人に向けて空室清掃メインのフリーランスの生活を深掘りしていきます。
前提
設定は空室清掃をメインにしてる人で、ハウスクリーニングで起業前~起業1年未満の人を対象に書いています。
だけど、それ以外の人にも何かしら考えるきっかけとなる内容になっています。
というわけで、まずは前提がこちら。
仕事の目的は人それぞれ。
プライベートな時間なんていらないから、とにかく稼ぎまくりたい人。
自由な生活が第一。お金は生活出来る最低限あればいい人。
何事もバランスが1番という人。
みんな違って良いし、誰かに合わせる必要はないです。
しかし、本当はもっと稼ぎたいのに稼ぐ方法が分からない、という人はどうでしょう?
もしくは、ほんとはもっと休みたいのに、仕事を断れないと悩んでる人には?
自分が目指す場所への行き方が分からなくて困っている人がいたら、何かしら役立つ情報を伝えられたらいいなと僕は思います。
今回の記事は、お金と時間についての話。
ワークライフバランス、というやつですね。
だから、現在の自分の仕事スタイルに満足してる人が読んでもつまらない内容です。
というか、今の自分の仕事スタイルに満足してる人が読むと自分の考えと違うので【何だか自分の考えを否定されてる】と勘違いする人が出てくるかもしれません。
大事なことなので、もう一度。
働き方や価値観は十人十色。
もし、今の仕事スタイルを変えたいと思っていたり、理想の働き方をするためのロードマップが欲しい、という方には参考になる記事となっています。
現状に少しモヤモヤしてる人はぜひ最後まで読んでみてください。
もしかしたら、早い段階で方向修正出来るかもしれません。
まずは量をやって質を上げる
最初はとにかく量をこなすことで経験値を上げましょう。
どの仕事にも共通する考えです。
初心者はとにかく量をこなすことで、様々な問題を発見できます。
「窓サッシが苦手だな」とか「キッチンの油汚れを落とすのに時間が掛かる」とか。
それを順番に解決していくことで自然と質も上がっていきます。
もちろん、何も考えずに量だけこなすのは問題です。
しかし、考えてばかりで肝心の量をこなさなければ絶対に質も向上しません。
空室清掃は作業を体で覚えることが大切。
僕も含め、周りの同業者に聞いてもみんな同じことを言います。
それは、以下のような感じ。
「最初は1Kに2日掛かった」とか
「最初は手順が分からず、効率の悪い動きばかりしていた」
「とにかく力を入れすぎて、効率良く汚れを落とすなんて考えられなかった」
など。
だけど、愚直に件数をこなして経験を積むことで自分の課題を克服して今に至ります。
百聞は一見にしかず、実戦経験をガンガン積み上げて行きましょう。
まずは上限までチャレンジしよう
1日に何件出来るのか、一週間、一ヶ月で何件出来るのか?
ここで大事なのは、【最大出力】を上げること。
そして、それを自分で知ること。
なぜなら、本当にお金が必要になった時、【1ヶ月だけ無理すれば自分はこれだけの件数が出来る】を把握しておくと心に余裕が出来るから。
例えば、1ヶ月だけ無理すれば平均して1日2件×25日稼働で50件はこなせるとします。
普段は無理しないように、その半分で抑えるなら月に25件という感じです。
これに単価をかければ、1ヶ月にどの程度稼げるか分かります。
つまり、限界に対して今の自分がどの位の力配分で仕事をしているのかが把握しやすくなります。
空室清掃を始めた当初はとにかく経験値を積む時期。
さらに、この時期が最もスキルを吸収する伸びしろがある時期です。
だから、多少の無理は利きます。
こんな事を言うとパワハラみたいですが、がむしゃらに経験値を積む時期は重要です。
そして、それに最も適した時期が空室清掃の初心者の時期です。
頑張って積み上げた分だけ、基礎体力となり今後の活動をする上で必ず財産となります。
目安は空室清掃を3ヶ月で100件。
ちょっときついかもですが、頑張りましょう。
体が資本だから無理は禁物
と、ここまでは少し厳しいことを書きました。
なんだよ、冒頭のツイートと真逆のことを言ってるじゃ無いか、と思うかもしれません。
しかし、ここからが本題。
実は【量をこなすこと】から抜け出せないままの清掃業者は多く存在します。
僕のフォロワーさんのリプを引用すると【モデルチェンジ】がうまくいってない人。
僕が考える1つのパターンとして、以下の流れがあると感じています。
最初は量を重視だから安い仕事でも件数こなすことを優先
→だんだん質も上がってくる
→しかし、単価を上げる方法や集客方法が分からない
→既存の仕事先を失うと新しい仕事先が見つからないという不安
→断ると仕事を切られる恐怖
→無理な仕事でも受け続ける
→忙しいのに稼げない
→時間に追われ、気がつくと手元にお金が残らない
→休めない状況が続き無理を重ねる
→体を壊し廃業
これは、大げさな話ではありません。
僕はお掃除フリーランス4年目ですが、上記のパターンの人を見たり、同じケースを聞いたことは1度や2度ではありません。
せっかく真面目に仕事を続けた結果がこれでは、あまりにも報われないと思いませんか?
そして、そのような結末を迎えたいですか?
空室清掃は体が資本。
決して無理は禁物です。
健康な体も、仕事を出来る時間も無限にある訳ではありません。
無理をすると、健康で働けるトータル時間は短くなるでしょう。
例えば1ヶ月休みなしで働けば、その月は収入は上がります。
しかし、無理がたたって体を壊し、次の月は半分しか働けなければ本末転倒。
※だから、最初の3ヶ月で100件を目標に!と書きましたが無理ならペースダウンを自分で判断出来るようにしましょう。
いかに無理せずに健康な状態を長く維持して、細くても長く稼ぎ続けるという感覚は大切です。
その為に出来ることを、次の章で解説します。
単価UPが唯一無二の解決方法
無理せず、ストレス無く、長く稼ぐにはどうすべきか?
結論は、『単価を上げること』
これに尽きます。
理由は、単価が上がれば同じ金額を稼ぐために費やす労力と時間を減らせるから。
例えば10万円を稼ぐのに、1Kを単価1万円で受注したら10件やる必要があります。
1Kに6時間かかると仮定すると、6時間×10件=60時間
一方で、単価2万円ならどうでしょう?
10万円を稼ぐには、1Kの単価2万円×5件で10万円になります。
同じく1Kに6時間かかると仮定すると、6時間×5件で30時間
単価が変わるだけで、同じ金額を稼ぐのに30時間もの差があります。
たとえ30時間あれば、いろんな事が出来ますよね?
家族とゆったり過ごしたり、趣味の時間や(たとえば好きな映画を鑑賞するなど)、より仕事のレベルをあげる為に洗剤や道具の研究をしたり、営業方法や集客方法について勉強する時間にも使えます。
そうした時間が、お金や物理的なモノ以外でも人生を豊かにしますし、心にもゆとりが生まれ、体も大切に出来ることに繋がります。
さらに浮いた時間を自分に投資することで、より単価の高い仕事を獲得出来るようになります。
単価UPすることによって、すべてが好循環になっていますよね?
では、どうやって単価を上げるのか
僕がお掃除フリーランスとして起業する時、単価を上げる方法についての情報はほとんどありませんでした。
そして、その状況は今もあまり変わっていません。
僕はこれまで約50万円をハウスクリーニングの研修やコンサルに費やしてきました。
もちろん、役だった部分はおおいにあります。
しかし手前味噌ながら『単価を上げて時間を作ること』に関しては完全に自分自身で試行錯誤してマスターしました。
自分の実体験で得たことなので断言します。
『これだけやれば単価がすぐ上がる方法』というのは存在しません。
空室清掃であれば、クレームなく仕上げられるのは必須スキル。
(理論上クレーム0は無理ですが、リピーターが付くレベルという感じでざっくり捉えてください)
それでスタート地点に立ったと言えます。
そこから先、スキルを上げていけば『お金は後から付いてくる』と考える人が圧倒的に多いです。
誤解無いように言いますが、それだけでは単価を上げるのは無理です。
なぜなら、あなたに依頼してるお客さんは『その金額だから』あなたに依頼してるから。
もちろん、良いお客さんであれば「前よりキレイにしてもらえるようになったから」という理由で単価を上げてくれることもあるでしょう。
でも全体で見ると、それはレアケース。
会社員であれば新入社員の頃から年数を重ね、経験を積んでいくと昇進したりして給与は上がります。
しかし、フリーランスは自分で交渉していかなければ単価は勝手には上がりません。
多くは、金額が上がることに対しては拒絶反応をします。
ちょっと想像してみてください。
普段買っているお菓子のサイズ、少し小さくなったと感じたことはありませんか?
袋に入ったお菓子も、値段は変わってないけど何だか中身が少なくなったような。
これは値上げをすると売上が落ちるので、値段はそのままで容量を減らすという苦肉の策をメーカーが取っているから。
実質値上げ、というやつです。
大手メーカーがマーケティングに掛ける予算は想像も付きませんが、膨大なデータや研究からそうした方法がベストと判断していることになります。
つまり、いかに大手メーカーでも、それだけ値上げには慎重にならざるを得ないということ。
大手アパレルメーカーが値上げをしたら売上が落ちた等のニュースを耳にするケースも多いと思います。
だから、僕たちフリーランスが値上げ交渉をするのも難易度が高いというのが分かります。
ではどうするか?
解決策は、これまで1K10,000円でやっていたなら、たとえば今度は1K20,000円で発注してくれるお客さんを探すことです。
【単価の良い仕事を獲得する難易度】は以下のとおり。
新規開拓<既存顧客に値上げ交渉
という図式。既存顧客に値上げ交渉する方が難しい。
意外かと思われますが、多少値段が高くても安心できる業者を探してる、というお客さんは確実に存在します。
見積りの仕方も重要です。
正直、見積り下手な人が多すぎると思ってます。
また、お客さんによって業者に求めるものは違います。
お客さんの求めていること、困っていることをピンポイントで解決出来れば、それはとても価値があること。
結果的に、その価値が高単価の仕事として認められることに。
相手は何に価値を感じる?空室清掃の例→リフォーム会社は1日に2件出来ます!という清掃業者に価値を感じる。個人の大家さんは1日1件、大家さんの物件だけに集中してキレイに仕上げます!という清掃業者に価値を感じる。これが逆だと営業トークの効果は下がる。相手に合わせて提供する価値を変えると◎
— よわかつ@ハウスクリーニング単価UP (@yowakatsu) July 27, 2021
1皿100円の回転寿司も、客単価3万円を超える寿司屋も両方存在するのは、それぞれのニーズを満たしているから。
僕みたいな庶民だけじゃなく、世の中には富裕層といわれる人々がいます。
そうした富裕層のニーズを満たすためには、やはり高級店というものが必要というわけですね。
同じように、僕たち空室清掃業者もお客さんのニーズを見極めることで単価UPの可能性を広げることが出来ます。
自分で集客出来ると、良い意味でお客さんと対等な関係になれます。
あまりに理不尽な要求をされても「ここの仕事がなくなったら終わりだ」と思うのと、
「仕事先は自分で見つけられる」と思うのでは、全く違いますよね。
自分で集客出来ないと、いつまでも理不尽な要求に付き合わされて消耗する生活が永久に続くということ。
考えるとゾッとしますね。
まとめ
・働き方、どのくらい稼ぎたいかは人それぞれ
・他人の価値観に口を出すことはない
・だけど、もしハウスクリーニングの仕事とお金で悩んでいるなら情報提供をしたい
・ハウスクリーニング初心者はまず量をこなして質をあげていく
・ベースが出来上がったら、自分で集客していく
・既存顧客に単価UP交渉の難易度は高い
・新規営業して、相手のニーズを満たす提案をしていく
・高単価の仕事が増えれば時間が増える
・時間が増えれば、家族と過ごしたり、趣味に時間を使えたり、自分に投資も出来る、体も大切に出来る
・自分で集客出来れば単価も上がり、仕事量のコントロールもしやすくなる
・自分で集客できれば最強だからこそ、集客は難しい
【量から質へ】これは、自分のスキルを磨く為の方法という意味。
しかし、言い換えれば【安くて量をたくさんこなす仕事スタイル】から【高単価で質を求められる仕事】への転換とも言える。
単価の安い仕事を馬鹿にする業者や、安いから適当にやればOKという業者もいる。
だけど、安い単価でもきっちり出来なければ単価の良い仕事は出来ない。
だからと言って、いつまでも単価の低い仕事だと消耗する。
ふたつの意味で量から質への方向転換が出来るか?
これが空室清掃で長くやっていくうえで重要。